カメラが導いたUターン――小値賀を“写し、伝える

Profile

川村 美月 (かわむら みづき)

 小値賀町・相津地区出身。高校卒業まで島で育ち、長崎大学へ進学。教員免許を取得し、卒業後は長崎市内の幼稚園に勤務した。転機となったのは「カメラ」との出会い。帰省のたびに島の風景を撮影するうちに、小値賀の魅力を再発見し、次第に「帰りたい」という気持ちが強くなっていった。
2025年4月に地域おこし協力隊インターンとして小値賀へ帰島。現在は正式な協力隊として、おぢかアイランドツーリズムに所属し、島の魅力発信に携わっている。

帰郷の理由は“カメラ”と“家族”――大人になって気づいた、小値賀の美しさ

小値賀町の相津で生まれ育った川村美月さん。家の前には田んぼが広がり、朝はトラクターの音、夕方には牛の声。季節によって変わる自然の音が、当たり前の日常としてあった。

高校卒業後に島を離れ、長崎大学で4年間学び、教員免許を取得。卒業後は長崎市の幼稚園で働きながら、子どもと向き合う日々を送っていた。
そんな川村さんの心を大きく動かしたのが「カメラ」との出会いだった。

「友達や、帰省した時の小値賀の風景を撮るうちに、島の魅力を改めて感じたんです。大人になってから見る小値賀って、こんなに良かったっけ?って。」

写真を通して、小値賀の“当たり前の景色”が特別に見えた。気づけば、「帰りたい」という想いは大きく膨らんでいたという。
そして、心の奥にあったもう一つの願いが背中を押した。

「じいちゃん、ばあちゃんともっと一緒にいたい。畑仕事も一緒にしたい。でも照れて言えないので、本人たちには内緒です(笑)」

家族への想いを抱え、2025年川村さんは小値賀に戻る決断をした。
現在は、協力隊インターンを経て協力隊として活動している。

写真で“島の日常”を形に――ITで挑む、小値賀の魅力発信

小値賀へ戻った川村さんが協力隊として選んだのは、島内外へ小値賀の魅力を伝える「おぢかアイランドツーリズム(IT)」だった。

「小値賀のPRをしたくて、撮った写真を発信できる環境があるのはITしかないと思いました。」

人見知りだけれど、人と話すことが好き。そんな自分に苦笑いしながらも、島の人と話す時間が何より楽しいという。会話の中からにじむ人柄や空気感を、写真として残し、島の魅力として外へ届けたい。その思いが、今の仕事の原点にある。

幼稚園教諭として過ごした4年間で「子どもと関わることは生きがい」だと気づいた川村さん。ITには子どもキャンプや島らいふ(民泊)など、子どもと向き合える事業がある。それも、ITを選んだ大きな理由だった。

現在は協力隊として、お客様対応、古民家の管理、子どもキャンプや島らいふの企画・安全管理、HPやSNSの広報など、多岐にわたる業務を担当している。SNSは“ほぼ毎日投稿”。忙しさはあるものの、「やりがいがある」と笑顔で言う。

日常を写し、人を繋ぎ、未来へ残す

小値賀の魅力は何ですか?
そう尋ねると、川村さんは迷わずこう答える。

「人と自然です。」

美しい景色の背景には、それを守り続けてきた人がいる。
海をきれいにし、畑を耕し、子どもを見守り、島を支えてきた人たちがいる。

小値賀での日常にある小さな光、ふとしたしぐさ、風の匂い。
そうした“何気ない美しさ”を、これからも静かに写していく。

「島のみんなが大切にしているものを、そのまま残したい。写真を見た人が、小値賀っていいな、行ってみたいなって思ってくれたら嬉しいです。」島で育ち、島に戻り、島の未来へとつながる道の途中。
川村さんのレンズに映るのは、誰かにとっての“いつもの景色”であり、誰かの心をそっと動かす、小さな美しさだ。


おぢかアイランドツーリズム

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