小値賀の漁師を紡ぐ

Profile
伊藤 安和 (いとう やすかず)
小値賀町斑島生まれ。父親が漁師をしており、小さい頃から身近に漁師の仕事があった。「いつか漁師をしたい」という想いがあった伊藤さんは、高校卒業後、小値賀を出て「製造業」「販売業」「運送業」の物流に関わる仕事を全て経験した。物流の根源となる「魚」がどんな形でお客様のところに届くのか学ぶためであった。
「漁師になりたい」という夢は、いつしか「50歳になったら小値賀へ帰って漁師になる。」と具体的な目標へと変わっていった。
47歳のころ、小値賀で漁師をしている父親が体調を崩したことをきっかけに小値賀へ戻り、跡継ぎとして漁師になることを決意した。
そして、2024年1月から漁師としての活動が始まった。
漁師になるまで、2年間は協力隊として活動し、残り2年で漁業研修のプログラムを経たのち独立を目指す。
しかし、伊藤さんは協力隊の2年を経ての独立を目標としている。
小値賀町全体で漁業が衰退しつつあるが、漁業を盛り上げるため日々奮闘している。
Contents
漁師の覚悟

現在、小値賀の漁師は約130人。そのうち65歳以上は9割を占めている。
担い手不足が叫ばれている中、伊藤さんは漁師という道に飛び込んだ。
研修中は、親方の船に乗せていただき漁業について指導を受けている。漁の仕方から道具の作り方、潮や風の見方を学ぶ。自然相手の漁師はその日その日の気候から学ぶことが多い。また、漁師は漁に出るだけが仕事ではない。港湾補修や魚の出荷作業、漁場の調査など様々な作業がある。
伊藤さんは、独立を目標に1日を無駄にしないように積極的に質問することを心掛けながら日々漁業の仕事に取り組んでいる。
高齢化によって人手不足が進行する小値賀町で、どうすれば漁師の状況を変えることができるのか、若い人たちが入りやすい環境づくりとは何かといったことも考えながら活動をしている。
新たな挑戦

伊藤さんは、漁師を繋いでいくという活動だけでなく新たな事業へも挑戦を広げている。
小値賀町には観光客や島民が容易に刺身を購入出来る場所がない。この問題を解消したいと考えた伊藤さんは「魚自動販売機」の設置を考えている。(*こちらは他の事業と調整中)
他にも、漁業体験といった観光事業に関わることにも積極的に取り組んでいる。
これまで漁師が関わることのなかった観光業。
伊藤さんは、地域間の関わりや繋がりを作るための大切な架け橋になっている。
小値賀の未来にできること

自然に囲まれ、自然の中で仕事が出来る魅力的な小値賀町だが、この小値賀町を支えてきた漁業や農業が後継者不足により衰退しようとしている。以前の活気を取り戻すため、誰もが入りやすい漁師の環境や制度を整え、仕事を知るきっかけ作りが必要だと伊藤さんは語る。
独立した漁師になるべく学びながら、小値賀町の未来のために力を尽くしている。