小値賀の海を届けるために

Profile

山本 幸生 (やまもと ゆきお)

小値賀町大島生まれ。高校まで小値賀で過ごし、卒業後はダイハツ工業へ就職。工場のある滋賀県へ移住することとなった。30歳の時にダイビングの資格を取得し、ダイビングと写真の楽しさに出会い、海の中のカラフルさや、魚の何とも言えない表情に魅了された。33歳の時にダイハツ工業を退職し、その後福祉関係の仕事とダイビングショップの補助業務を掛け持ちしながらインストラクションの経験を積んだ。34歳でインストラクターの資格を取得し、38歳で故郷である小値賀に戻り、ダイビング事業を進める第一人者として協力隊の活動が始まった。現在では協力隊も退任し、小値賀でダイビングショップを運営している。

海の観光がなかった小値賀で、新たな視点から小値賀の魅力を伝える活動として奮闘している。

きっかけは同窓会

山本さんが小値賀でダイビングをするきっかけとなったのは、30歳の時に開かれた同窓会だった。当時のおぢかでは、海に関するアクティビティがなく、小値賀でも海を取り入れた観光事業の話が出ていた。

同級生にダイビングについて話しをしたところ、仲間であるみんなが背中を推してくれたことで小値賀でのダイビングショップ開業の目標ができたという。

ダイビングを開業するとなってからは、滋賀県へ戻った後も資格の取得に励んだ。ダイビングの資格は、インストラクターの資格をとるまでに約5つの資格を取得しておく必要がある。資格を少しずつ取得し、インストラクターになることができる。

インストラクターになるための資格「オープン・ウォーター・スクーバー・インストラクター」の参加前条件に100ダイブ以上のダイビングの経験本数という内容もあり、いくつもの最低条件をクリアした上で試験を受けることができるのである。

最低条件をクリアし、2015年34歳の7月にインストラクターとしての資格を取得した。

そして、2018年の12月に小値賀へ戻り、協力隊としてダイビングショップの準備が本格的に始まった。

地元での協力隊活動

協力隊期間中の山本さんのミッションは、とにかく開業に向けてお客様の受け入れや設備などの準備であった。

道具、備品、広告などの準備から、お客様を受け入れるコースや対応及び、安全対策などの準備に追われた。開業前から何度も小値賀の海を泳ぎ、海の特徴や泳ぎやすい場所、泳いでいて楽しい場所の開拓をした。小値賀の海は、魚の群れが濃いということ、小値賀は火山島であることから海底石が黒いところ、海底が赤い場所があること、また、潮の流れも激しくソフトコーラルなどのカラフルな生物も特徴とされている。この魅力をコースに組み込むなど準備を重ね、2020年4月に、まだ見ぬ小値賀の海での発見や楽しみを、小値賀唯一のダイビングショップとしての責任感のもと海の旅案内を通して地域・社会に貢献していくと決意を決め「おぢか海旅マリンサポート」を開業させた。協力隊期間中に開業をし、そこからプレオープンや試験的な体験を繰り返し、今では小値賀のダイビングショップとして活動している。

おぢかの海をいつまでも

海という視点から小値賀の特徴や魅力を伝えるため、協力隊を退任した現在でも、日々新たな場所の開拓を進めている。

ダイビングの楽しさ、海の中の色々な表情、海の中の日常をたくさんの人と共有したいと山本さんは話している。

 また、環境問題が注目される中、小値賀の海でも30年前ほど前と比べてみると、ワカメやヒジキなどの海藻がなく、海の砂漠化と云われる磯焼けが進んでいる。

 現在は、島外事業者や研究者と町役場、漁協と協力し、海洋保全にも取り組んでいる。

ダイビングショップを開業して5年。

海旅を利用したお客様から、「小値賀で初めて体験ダイビングをしてから資格を取った」という年賀状やダイビングをしている方から、「新しい土地の開拓をしてくれてありがとう、潜りたかった場所だった」というような、嬉しい言葉がたくさん届いている。

山本さんのダイビング活動は、海という新たなフィールドでたくさんの人たちとの繋がりを創り出している。

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